フランス児童文学・雑記帳

このページは、お気に入りのフランス児童文学のことを書かせていただきます。少しずつ,紹介文章などアップする予定ですが、推薦のフランス児童文学がありましたらお教えください


 

マルセル・エメ

 

『おにごっこ物語』

伊勢政義/絵

鈴木力衛/訳

岩波書店 

(岩波少年文庫)

 

『もう一つのおにごっこ物語』

パトリス・アリスブ/絵

金川光夫/訳

岩波書店 

(岩波少年文庫)


 

ロベール・サバティエ

 『ラバ通りの人びと』〈オリヴィエ少年の物語1〉堀内紅子・松本徹/訳 福音館書店

 『三つのミント・キャンディー』〈オリヴィエ少年の物語2〉堀内紅子/訳 福音館書店

 『ソーグのひと夏』〈オリヴィエ少年の物語3〉堀内紅子/訳 福音館書店

 

 

レオポルド・ショボー

   『きつねのルナール』

     (レオポルド・ショヴォー/編  山脇百合子/訳・絵 福音館書店)

   『年をとったワニの話〈ショボー氏とルノーくんのお話集1〉

     (出口裕弘/訳 福音館書店)

     同シリーズ他に『子どもを食べる大きな木の話』『名医ポポタムの話』

     『いっすんぼうしの話』『ふたりはいい勝負』

 

 

アルフォンス・ドーデ

 

   『スガンさんのヤギ』

     (エリック・バテュー/絵 ときありえ/訳 西村書店 2006.7)

      山本有三編『世界名作選』(日本少国民文庫)にも載ったお話ですが、

      今回は最新の出版の絵本にリンクさせていただきました。

 

 

ヴィクトル・ユゴー

 

『レ・ミゼラブル』(清水正和/訳 福音館古典童話シリーズ 1996)

 

原作出版 1862年。

福音館古典童話シリーズは、全2巻。上巻、628頁。下巻、658頁。合計、約1300ページの本ですが、これでも、原作の全訳ではなく、原作の半分弱とのこと。日本では、1902(明治35)年に黒岩涙香により『噫無常』のタイトルで翻案され、大評になったようです。

福音館版上巻の表紙は、ホウキを持つコゼットの絵が使われていますが、1915(大正4)年に出版された『縮刷涙香集第三編 噫無常』の口絵には、既にこのホウキを持ったコゼット絵が使われています。(その絵については、ブログを見てください。)

 

 

 

   『モンテ・クリスト伯』(竹村猛/編訳 岩波少年文庫全3巻)

 

   待つこと、そして希望を持つこと」

   この言葉が、この本に書かれた最後の言葉です。

   本を紹介する時、最後の言葉を書いてしまうというのはあまり良くないかもしれませんが、紹介しないではいられません。

   この言葉の少し前に、モンテクリスト伯の言葉として、次の言葉があります。

  「このうえのない不幸を経験したもののみが、このうえのない幸福を感じることができるのです。」

   訳者の竹村猛氏は「待つこと、そして希望を持つこと」と言う言葉に対して、あとがきでこう解説しています。

   「人生の嵐の中で、あきらめや絶望におちいることなく、絶えず希望を捨てることなく努力せよ。忍耐づよく苦難に耐え、

   深く考えをめぐらしたうえで行動に移れ」ということだろうと。

 

   今から約170年前、1844〜1846年にかけて書かれたというこの作品は、明治期には『巌窟王』として黒岩涙香によって訳され、

   『噫無情』などとともに当時のベストセラーなった作品です。

   その物語は、今日なおきわめて面白く、特に上巻の展開は圧巻です。最後の言葉を紹介

   したとしても、物語の面白さを少しも損なうものではない、と思います。

 

 

アレクサンドル・デュマ

                       大正九年 扶養社版