NHK ・ BSで映画「いちご白書」が放映されます。
この映画で思い浮かぶのは、やはり「『いちご白書』をもう一度」、荒井由実の作詞・作曲の曲です。そして、この歌の歌い手は、やはり荒井由実自身が一番です。写真のCDにセルフカバーのその曲が入っています。ぜひ聴いてみてください。
特に、この曲の前奏をよく聴いてみて下さい。 前奏のバックに流れる音は、学生運動が盛んな頃の集会の喧騒を実際に録音したものではないでしょうか?
あの頃、ノンポリだった私でさえ、同じ下宿のあまり親しくない男性に「一緒に日比谷公園の集会を見に行かないか?」と声をかけ、その男も「よし、行こう!」とすぐ同意し、出かけて行きました。そうした雰囲気が学生たちの間にはありました。(インターネットで調べると1969年6月15日の反戦・反安保集会だっただろうと思われます)
集会が終わってデモに移って行ったのですが、デモの出口あたりで見ていた私は、1人の学生が猛烈な勢いで大勢の機動隊に向かって抗議しているのを見ました。次第に私自身が興奮してきました。すると、デモ隊の最後は「どなたでも参加してください」と声をかけている、ベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)のデモ隊でした。そこで同じ下宿の男性に「〇〇さん、僕らも行こう!」と声をかけ、ベ平連のデモに参加しました。
デモ隊はどこをどう歩いたのか、よく覚えていませんが、間違いでなければ、首都高速を歩かされたのではないかと思います。全く知らない女性と手をつなぎ、フランス・デモで道いっぱいに広がって歩きました。
荒井由実が歌う「『いちご白書』をもう一度」。その前奏は、あの時の日比谷公園の集会の喧騒を思い出させます。若い人たちの 熱気が溢れかえっていました。ぜひ聴いてみてください。
(この録音を前奏に使ったアレンジに本当に頭が下がります)
追記: それにしても、2局あったNHK ・ BSが、まもなく1局だけになってしまいます。これは間違いなく、様々な社会問題を扱う優れたドキュメンタリーを制作し、また海外のそうした番組を紹介してきた、NHKに対する「上から」の圧力の結果ではないでしょうか。 クラシック音楽、バレエの番組、そして海外各地の紹介や大自然などを扱った番組なども少なくなってしまうのではないでしょう。そういえば、圧力をかけてきた人々は、こうした番組を見る人たちではないのだろうなぁと思えてきます。